情報系大学生の趣味ブログ

趣味を探すため様々なことに挑戦していきます。簡単に言えば雑記です。

【短編小説:君と出会えたことが】プロローグ

俺にはいつも考えていることがある。
人生のテーマとでもいえばいいだろうか。
こんな前置きはいらないな。
もったいぶらずに言ってしまおう。
それは、生きる意味について、だ。
自己満足でも、利他満足でもなんでもいい。
とにかく何かに熱中しているとき。そういった瞬間に生きていてよかったと実感できるのではないだろうか、ということだ。
俺は何かを成し遂げることが出来ただろうか。とこれまでの人生を振り返ることがよくある。
実際、振り返るまでもなく答えが出てしまうのだが。
......。
俺には何もない。
そう、俺は何一つとして成し遂げることが出来なかったのだ。
果たして、こんな俺には価値があるのだろうか。
せっかくこの世に生まれてきたのに、何も記録を残せていない。
どうしてこんな悲しい生き方を.....ああ、又だ。
『悲しい生き方』と自分で気付き、あっさり受け入れているこの現状すらも悲観してしまっている。


そんな俺の人生は一言で言い表せてしまう。
『死んでいるみたいに生きてきた。』ただそれだけだ。


今日もいつものように、憂鬱な気分を通り越して諦観している。
こうなり始めた頃は、自分に苛立ちを感じ、自暴自虐と現実逃避をひたすら繰り返していた。その後、感傷に浸り、自分は可哀想な人間なのだと決めつけることで清々しい気持ちになっていた。
しかし、いつからかそうはならなくなってしまった。
多分、その過程に慣れてしまったからなのだと思う。
今では、最底辺の自分にはこれより下はなく、これまで通りか、上しか進めないのだから悲観することはないだろうと開き直っている。
解決は一切しなかった。なぜなら、実力が圧倒的に足りないからだ。
ある程度の実力がないと物事を楽しめないというのが俺の持論だ。おそらく現実もそうだろう。上手だから、評価されたから、結果が残せたから楽しいのだろう。
例えばテレビゲーム、負けまくって何が楽しい。例えば勉強、成績が下がって何が楽しい。例えばイラスト、絵が下手くそで何が楽しい。
沢山の量をこなせば上手くなると思っていた。そう信じて頑張っていた。しかし、実際はそうじゃなかった。いくら頑張っても成長しなかった。
楽しいと思える人は、最初から向いていたから続けられるし上手くなっていく。
向いてもいない人は、上手くなることすら許されないのだ。
この事実に気づいていない人は多くいるのではないだろうか。
俺は以前までその一人だったが今ほそうではない。
大抵の馬鹿な人は、誰かに言われるまで自分が馬鹿だということに気づかないし、納得しないだろう。
しかし俺は、全て思い通りにいかないと感じ始めてから自分にだけは常に関心があった。だからだろう。自分で自分の馬鹿さ加減を知ることが出来た。そして、これが悲しい出来事だということに、すぐに気づくこととなった。
いくら凡人が頑張ったところで、才能がある人には勝てない。以前、「努力する凡人は、努力しない天才に勝てる。」こんな言葉を聞いた。俺に至ってはこの言葉は全くの嘘だった。
いやもしかしたら、嘘付きは俺の方で、俺は凡人なんかじゃなく凡人以下なのかも知れない。

誰に相談しても、最終的には努力すればできるようになると言われ、応援された。たくさんのアドバイスをもらった、しかしそれらはもれなく実行済みだった。だから、それはダメだったんですと返事した。きっと面倒臭い奴と思われたに違いない。

相談したところで解決には至らなかった。それからは人を頼ることは辞めた。自分のことは自分で解決するしかないのだと悟った。

 

にほんブログ村 大学生日記ブログへ
にほんブログ村

プライバシーポリシー お問い合わせ