【読書感想】『ふたりの距離の概算』米澤穂信
この作品は古典部シリーズ五作目となっています。
この作品からテレビアニメ『氷菓』に含まれてないエピソードになっています。
奉太郎たちが2年生になり新歓祭から始まるお話。
新入生の大日向友子が登場してきます。
当然このキャラクターを主軸にお話が進んでいくのですが、
今回はほとんど奉太郎だけで推理します。
マラソン大会で、奉太郎が走り、途中で部員にヒントをもらいながら推理するという形でした。
さて感想を書いていきます。ネタバレ注意です。
まず大日向友子について、新入部員が入ると部活の雰囲気がかなり変わるんだなぁと思いました。
僕の経験上、慣れ親しんだ部活に新入部員が入ってくると、リラックスできないことがありました。読んでいるとそういったことを思い出してしまいました。
作中ではみんな、友子のことを歓迎しているみたいで、安心しました。
摩耶花がえるのことをちーちゃん、里志のことを福ちゃんと呼ぶように、友子のことを名字をいじってひなちゃんと呼んでいることは、そんなあだ名の付け方があるのかと正直笑ってしまいました。
ただ友子は思い込みの強い性格をしていて、勝手にえるを悪者のようにして、傷つけていました。やっぱり苦手です...笑
奉太郎じゃなかったらあんな誤解を解くことはできなかっただろうなと思います。
そして、物語最後には友子は入部しないと決めたそうで、また元の古典部に戻るのかもしれませんね。
ですが、奉太郎がえるに言われた、「大日向を助けてあげてほしい」を実行しなかったことを気がかりにしているシーンがあったので、また登場するかもしれないと思いました。
それから、里志と摩耶花の関係が落ち着いたみたいで良かったです。
前刊の『遠まわりする雛』の最後に奉太郎が匂わせていたえるへの好意。これも卒業までに終結すればいいなと思いました。
ちょっと話題はそれますが、前回は書きませんでしたが、年代設定が、奉太郎たちが高校入学した年が2000年なんですよ。ちょうど僕が生まれたと年という。なんかあの頃の雰囲気がとても好きなんです。みんなが携帯電話を持っているわけではなくて、パソコンも持っている家庭と持っていない家庭があって、子供が今よりも外に出ているあの雰囲気です。あの頃に行ってみたいです。
今回はこの辺で終わりにします。
次は古典部シリーズ新刊の『いまさら翼といわれても』を読もうと思っています。
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